夏休み特別企画
トキの名前

 

 はじめてトキの名前が歴史上に現れたのは奈良時代のことで、日本書紀に桃花鳥として登場しました。ツキあるいはトキトリと読ませていました。平安時代には、鴇、?の字が登場し、 ツキあるいはタウと読ませていました。また、中国の呼び名である紅鶴もこのころ登場します。トキという呼び方は、室町時代になって使われるようになりました。また、かつては日本各地に生息していたため、地方特有の呼び方がありました。肥前(長崎県、佐賀県)ではタウノトリ、マトキ、タウガラス、近江(滋賀県)ではハナクタ、安芸(広島県)ではモンドガラス、秋田県ではダオという名前が伝わっています。
 世界共通の生物の呼び名である学名がつけられ、生物学的に認知されたのは江戸時代のことです。出島のオランダ商館医であったシーボルトが購入しライデン博物館に送った剥製をもとに、当時館長のテミンクによって Ibis nippon (Temmick, 1835)と命名されました。後に属名が再検討され、現在ではNipponia nipponが使われています。まさに日本を象徴するにふさわしい鳥の名前になりました。