夏休み特別企画
トキのくらし



提供:環境省 協力:自然環境研究センター

トキのくらし
トキのくらす環境は、樹林や湿地がまじりあった、平地や丘陵地です。地方に残る鳥追い歌の中には田んぼの苗を踏み倒す害鳥として登場するほど、かつては人里近くにすむ身近な鳥だったようです。餌は、ドジョウやカエル、タニシ、サワガニ、昆虫など、ため池や水田、その周辺の草地にすむ生き物です。泥の中にくちばしを差し込み、餌をさぐるように食べるのが特徴です。日本で放鳥されたトキの観察によると、年間を通じてドジョウやミミズ、昆虫を食べ、 冬には特にカエルを食べる割合が増えるそうです。一日平均約 200g の餌を食べます。これは体重のほぼ 10 分の 1 に当たる量です。

繁殖活動は2月ころから始まります。3月には、地上10mほどの樹上の又に、小枝を積み重ねた巣をつくります。一夫一妻、一巣卵数は2〜5卵、雌雄交代で抱卵し26〜30日で孵化します。孵化したヒナは、親鳥から餌を与えられ、40日から50日で飛べるようになり、6月中旬ころ巣立ちます。佐渡島や能登半島のトキは、一年中同じ場所でくらしていましたが、北海道など積雪地域の鳥は、冬になると太平洋側や九州など、雪の少ない地方に移動していたようです。                   

トキの羽色の変化
ートキの羽色の変化ー
鴇色と呼ばれる淡い朱色の羽毛を持つトキですが、もう一つ羽色で特徴的なのは、繁殖期に頭と首、胸と背が黒くなることです。これは、首の皮膚から染み出る黒い物質を、羽毛にこすりつけるためです。繁殖期が終わると、色素が分泌されなくなり、換羽(羽の抜け替わり)が始まるため、徐々に全身が白くなってゆきます。このように、皮膚からの分泌物が羽毛の色を変化させるのは、トキ だけに見られる性質です。