はじめに
鳥の博物館が所蔵する「アメリカの鳥類」(米アベビル社復刻版)の中から図版を数点選び、展示します。 

「アメリカの鳥類」は、今から約150年前に活躍した鳥類画家ジョン・ジェームス・オーデュボン(1785〜1851)によってつくられた図鑑です。ダブルエレファントフォリオ版という畳半畳ほどの大きさの紙435枚に、野鳥をすべて実物大で描いているのが特徴で、アクアチントという銅版画の手法で印刷されました。

 オーデュボンの描いた鳥の絵は、それまでの図鑑画にある静的な描写ではなく、野鳥の生活を躍動的に描いており、現在のワイルド・ライフ・アートのさきがけとなりました。

 世界をリードする自然保護NGO、オーデュボン協会に名を残した、オーデュボンの作品をご鑑賞ください。

オーデュボンについて
ジョン・ジェームス・オーデュボンJohn James Audubon(1785〜1851)は、フランス領サント・ドミンゴ島(現ハイチ)に生まれました。7歳の時にフランスに移住し、画家ダビットに絵画の手ほどきを受けました。
 18歳の時にアメリカに渡り、27歳でアメリカの市民権を得ました。
 事業の失敗により一度は破産しましたが、自らの画才を信じ、アメリカ各地を歩き回りながら鳥の絵を描き続け、12年かけて図鑑「アメリカの鳥類」を完成させました。
 画家と科学者と猟師と自然愛好家、四つの人格がみごとに調和したオーデュボンの作品は、今でも世界中に多くのファン層を持っています。
 オーデュボンは、観察・研究のために多くの鳥を撃ち落としましたが、同時に、アメリカの各地でおこなわれている森林破壊や野生動物の無差別な殺戮を見て、自然保護の必要性を感じていました。その後、保護区のレンジャーが、羽飾り用の白サギ密猟者に撃ち殺された事件をきっかけに、全米中に自然保護運動が広がりました。こうした時代の流れの中で、世界をリードする自然保護団体が設立され、その名称もオーデュボン協会と名づけられました。
展示されている絵をみましょう。