The Birds of America.

John James Audubon

 ☆コキアシシギ  ☆ハシグロカッコウ ☆オオフラミンゴ ☆カナダガン ☆リョコウバト
コキアシシギ                       オーデュボンは、この鳥をサウスカロライナ州のチャールストン付近の森の中の池で観察しています。
 背景は、オーデュボンの助手で風景画が得意なジョージ・レーマンによって描かれたと考えられています。
 ほかのシギ類同様、この種も、アメリカ大陸を、時計回りの巡回コースをたどって渡ります。大西洋の海岸沿いに南下し、雪解けの早い内陸沿いを北上します。

ハシグロカッコウ                      この絵の背景のモクレンの花は、13才の頃からオーデュボンの助手をした画才豊かなジョセフ・メイソンが描いたものです。
 ハシグロカッコウは、メキシコ湾をこえて来る渡り鳥です。オーデュボンはルイジアナの滞在中に観察したようです。「この鳥は、ルイジアナ州ではまれな鳥である。満開のモクレンの上で遊んでいる姿を描いてみた。」とオーデュボンは記しています。
 リズミカルな、「クックックッ クックックッ クックックッ」という三音節の声が、暖かい夜によく聞かれます。

オオフラミンゴ                      オーデュボンは船乗りの話などから、「フラミンゴはフロリダの珊瑚礁や海岸にまれにわたってくる夏鳥」と考えていました。彼自身は、キーウエストや西インド諸島の珊瑚礁でたくさんのフラミンゴを見ているはずです。
 しかし、描かれたオオフラミンゴの餌とりのポーズは正しくありません。きっとオーデュボンは、上くちばしを下にしてプランクトンをこしとるフラミンゴ特有の餌とりの方法を意識していなかったのでしょう。
 また、オーデュボンは、彫り師への色付けの指示書に、「もっと赤みを強く」と書いていますが、アメリカの鳥の図鑑で有名なあのR. T. Petersonもこの絵の色は濃すぎると記しています。

カナダガン                        北極圏東部のカナダにすむやや小型のカナダガンの亜種(コカナダガン)は、はじめは独立した種と考えられていました。
 この絵に描かれたコカナダガンは、現在、分類上では、カナダガンに含まれる12亜種の中の1つに位置づけられています。カナダガンの亜種を並べてみると大きさが徐々に変化しており、各亜種間の中間的なものもあることから、連続的な形態変化(クライン)をなしていると考えられています。
 オーデュボンは、さまざまな鳥を飼育しましたが、カナダガンの番もしばらく飼育していました。

リョコウバト                              100年前、リョコウバトは世界中でもっとも数の多い鳥の一つだったことでしょう。かつてある鳥類学者がオーデュボンの記載をもとにリョコウバトの数を推定したところ、ケンタッキー州、オハイオ州、インジアナ州だけで50億羽という結果になりました。オーデュボンは、新婚時代を過ごしたルイビルという街には約10億羽のリョコウバトの群れがいると推定しています。
 おもに食料資源としての大量捕殺により、30年の間に数は激減しました。最後の一羽は、シンンシナチィー動物園で飼育されていたマーサと名付けられた個体で1914年9月1日午後1時に死亡し、この種が絶滅してしまいました。