The Birds of America.

John James Audubon

☆オオアオサギ ☆ダイサギ ハクトウワシ
オオアオサギ                        オーデュボンは、すべての鳥を実物大で描こうとしたため、絵からはみ出しそうな大型の鳥を描くときには、鳥のポーズを工夫しなければいけませんでした。
 この絵に描かれたオオアオサギは、生態が生き生きと表現されています。これは、オーデュボンがオオアオサギをよく観察し、じっくりと構想を練って描いたことを伺わせます。
 オオアオサギは、アメリカ全土の水辺にみられる大型の鳥で、大規模な繁殖コロニーをつくります。

ダイサギ                        巣作りが始まる前に、ダイサギはウェディング・ベールのような繁殖羽を発達させます。この羽毛をめあてに大量のサギが捕殺されるようすをオーデュボンは記録しています。その後も続いた大量捕殺が原因でアメリカのダイサギは激減しました。この頃から全米中にサギの保護運動が広がり、その後、オーデュボン協会が設立されるきっかけとなりました。
 この絵でオーデュボンが描いたダイサギのポーズは、残念ながら不自然です。このようなポーズで餌をしとめることはできません。また、彫り師のハベルが後に付け加えたとされるツノトカゲも、西部の乾燥地帯にすむトカゲであり、ダイサギの餌としてふさわしくありません。大型の鳥の絵の構成にオーデュボンが苦労した跡がうかがえます。

 ハワイ州以外の全米でみられるこのワシは、アメリカの国鳥です。しかし、オーデュボンは魚食性のハクトウワシが国鳥に選ばれたことやBold Eagle(はげわしの意)という命名に不満をもっていたようです。
 近年、ハクトウワシやミサゴなど魚食性の鳥は、DDTやそのほかの化学物質による環境汚染により被害を受け、きびしい生息状況です。
 この絵のモデルのハクトウワシは、1820年にオーデュボンがミシシッピー川を旅した時に採集したものです。