企画展「てがたん」

ー手賀沼フィールドミュージアムへの誘いー

 「てがたん」の舞台 

「てがたん」は、鳥の博物館から徒歩で約30分くらいで往復できる範囲、つまり博物館まわりの約1キロメートル圏内が舞台です。この狭い世界の中で観察される生き物とそのかかわり合いをじっくり観察しています。
 狭い世界とはいえ、観察対象範囲内には、住宅地、斜面林、水田や畑地、ヨシ原、手賀沼の水面、そのほか斜面林からの絞り水によって出来た水溜まりや人工的な排水路等々、細かくみると意外に複雑な環境要素が含まれていて、さまざまな生き物たちがそれぞれ適した環境にすみ分けてくらしています。
 また、少し視野を広げてみると、「てがたん」範囲は、関東平野のほぼ中央部に位置していることに気づきます。関東平野は、日本最大の流域面積を誇る利根川の下流域に広がる平地で、もともと湖沼や湿地の多い場所です。「てがたん」の舞台には、その特徴がよく現れています。
 さらに地球規模に視野を広げると、「てがたん」の範囲は、「日本」という北半球の温帯地域に位置する南北に長い山がちな島国の中に位置していることが分かります。
 こうした地理的な条件から、四季の変化があることも一つの特徴になっています。加えて、冬期、地表が積雪で覆われ水面が結氷する北部の地域と亜熱帯気候区に一部含まれる温暖な南部の地域の中間地点に位置しているのも特徴です。
 ローカルとグローバル、両方の視点から「てがたん」の舞台を改めて見てみましょう。

 極寒の極地から灼熱の赤道直下の地域まで、地球の環境は場所によってさまざまです。地球上の生物は、それぞれの生息地域の環境条件に適応して生活しています。
 例えば、多くのカモやシギの仲間は、餌の豊富な北極圏に近いツンドラで子育てしますが、夏を過ぎると、気温が0℃以下になり、地面や湖水面が氷結し、餌を採ることができなくなります。翼を持ち、移動能力にすぐれた鳥類は、この時期氷結しない湿地を求めて何千?もの距離を南下してきます。
手賀沼は関東平野の中央部に位置し、日本最大の流域面積を持つ利根川の下流域の湖沼群の一つです。
 関東平野は古くから人が住み着き、開拓され、湿地の面積はどんどん減少しました。しかし、上空から眺めると、5月の田植えの頃、水田に水が注がれると、かつての広大な湿地が復元したかのように見えます。
 水田が、代償湿地としての役割を果たしていることがよく分かります。
春の関東地方(5月の田植えの頃)
夏の関東地方
宇宙から見た関東の農地
つくばリサーチギャラリーのご厚意により展示しております。

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